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かすみのスピリチュアル・ジャーニー

かすみのスピリチュアル・ジャーニー

13.命とつながる(食べること)

あなたはもっと幸せになっていい


つながりの回復


13.命とつながる(食べること)


 当時、患者さんの集団療法の企画、運営をしていた私は、
野菜を育てたり、料理を作って食べるということが、患者さんに
好まれることが分かってきた。

 もともと食べることにこだわる患者さんが多かったが、
なぜなのだろうと不思議に思っていた。

 いろいろ本を読むうち、食べ物を食べるということには、
生命維持ということや、ただ食べる快楽ということだけでなく、
植物や動物の力や生命力、料理を作る人の愛情とつながるという意味が
あるんじゃないかと考えるようになっていった。

 料理を作る、その材料である野菜を作る、ということは
命とふれあうことであるように思う。

 その命に手を加えて、自分の体に取り込むことで、
自分は生きている、そんな当たり前のことが実感として
感じられるような気がするのである。

 患者さんは、そんなことを考えていたわけではないだろう。

 でも、感覚的に何かいいなということが分かるのと思うのである。



 佐藤初女さんという方は、「食べ物が人間を癒してくれる」
と言われている。

 佐藤さんは、若い頃、大病をし、注射や薬というものは、
ささいなものであって、それだけでは治らないと感じたという。

 一方、食べ物を食べたときには元気になる。これは、注射じゃない
食べ物だと佐藤さんは思うようになっていく。

 彼女は、今、「森のイスキア」という安らぎの場を主催し、訪れた人に
手作りの食事を食べさせている。

 彼女のおにぎりを食べた人が、自殺を思いとどまったということも
あるという。

 彼女の思い、彼女の愛が、食べ物を通して苦しんでいる人の心に
届くのであろう。

 そして、作る側の佐藤さん自身も、作ることによって、
いらいらした気分が治るという。

 私も、自分で食事を作るようになって、作っているうちに
憂鬱な気分が治っていることがよくある。

 きっと、食べ物が助けてくれているのだろう。 
 


 また、よく言われることであるが、「いただきます」と
手を合わせることは、命をいただくという、祈りのような
宗教的な意味があると思う。

 だから、私は、人が親しい人と一緒に「いただきます」
「おいしいね」と言いながら、食事をすることは、大事であるし、
心を病む人の回復にも、何か意義があるのだと思っている。 



 食べることが楽しくない、おいしくないとしたら、やはり、
命とのつながりが切れているのである。


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